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名言集2386

しかし真の愛は寛容であるが柔弱ではない。
  
もし仮定に過ぎないならば、
彼から絶対という迷妄を取り除くだけの
真摯な愛がなくてはならない。
  

(出隆『哲学以前』)

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(前後の文)
ある共通の根本的仮定
(独断的の信条とか憲章とか)の上に安立している
当の社会の意識やその指導者から見れば、
  
その神聖な祭壇下に坑道を通じて
これを破壊せんとする懐疑的、批判的な
哲学心を危険視するのも当然である。
  
今までよしとしまことと信じてきたもの
の価値が根本的に顛倒されることは
古きを愛する人情としても
忍びがたいことであろう。
  
しかし真の愛は寛容であるが柔弱ではない。
もし仮定に過ぎないならば、
彼から絶対という迷妄を取り除くだけの
真摯な愛がなくてはならない。
  
もし全くの虚偽なりと確信する場合には、
断固としてこれを破棄し去るの
勇気が必要である。
  
ある誤った仮定の破壊が、
従来一般に愛好されていた
思想の失墜を結果するとか、
教会の所説に背反するとか、
自己自党の利益を害するとか、
あるいは社会国家の現状を変革するとか
思って躊躇している限り、
  
哲学的精神は駄目である。
  
眼前の利害をのみ顧慮し、
実利実用のみを口にし、
現状との関係いかんをのみ意としている限り
  
哲学は育たず真理は消える。
  


              

投稿: しっ | 2023年1月 9日 (月) 07時47分

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