AQAL
AQALはインテグラル思想の基本概念であり、All Quadrants(全象限・四象限)とAll Levels(全レベル)を合わせた意味を持ちます。
ケン・ウィルバーは人間の認識する領域を"I","WE","IT","ITS"の象限に分けて説明しました。これらは、人間が生得的に所有する視点として普遍的に共有されているものであり、また、この世界のあらゆる事象を包括的に認識するうえで必要とされるものであるといえます。
* “I”(Individual Interior):個の内面の領域。この視点は、個の主観的(subjective) な存在としての真実性を尊重するもので、そこでは、個は、自己の内的な意 図にもとづいて行動する自律的な存在としてとらえられる。この領域の価値 基準は、個人が、自己の内的な感覚をいかに正確に解釈・表現するかに注目 する主観的な「誠実」(sincerity)というものである。
* “WE ”(Collective Interior):集合の内面の領域。この視点は、自律的な内面 を所有する個人の相互理解と相互尊重を重視するもので、そこでは、集合(共 同体)は、規範・倫理・価値等の文化を共有する個人による共感により維持 されるものとしてとらえられる。この領域の価値基準は、集合(共同体)の 構成員が、相互理解・相互尊重をとおして、いかにまとまりのある文化空間 を構築するかに注目する「正義」(justness)である。
* “IT”(Individual Exterior):個の外面の領域。この視点は、客観的に観察をすることのできる事象を重視するもので、そこでは、主観的な要素の影響する ことない、普遍的な事実が追求される。この領域の価値基準は、いかにあら ゆる主観的な「歪曲」に影響されない「客観的」・「普遍的」な真実を抽出す るかに注目する「真実」(truth)である。
* “ITS”(Collective Exterior):集合(共同体)の外面の領域。この視点は、集 合の組織体としての整合性を尊重するもので、そこでは、個は、あくまでも、 集合の構成要素としてとらえられる。この領域の価値基準は、ある存在(個 人・組織)が、それをとりまく外的な生存状況にいかに適合するかに注目す る「機能的な適合」(functional fit)というものである
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