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マズローの自己実現

Maslow (図をクリックすると大きくなります。)

「人間性の心理学」という第3の心理学を打ち立てたアブラハム・マズローは人間性の成長と欲求に関して積極的な考察を行い、そこから「欲求の階層論」という仮説を導きだしました。

それは、「人間の衝動・動機・欲求は、それ自体は、けっして悪いものではなく、中性的あるいは良いものである。人間には、生得的・本能的で、基本的な欲求があり、階層的に存在している。基本的な諸欲求を適度に満たされれば、人間は、停滞することなくますます成長し、心理的にいっそう健康になっていく。」というものです。

つまり欲求(needs)を満たすともうそれにはあまり執着しなくなり、次の質の異なった欲求が現れてくるということです。

(1)生理的欲求(physiological needs)
生理的体系としての自己を維持しようとする欲求。
最も基本的で強く、最初に求めるものは、生きていくために必要な、食物、水、空気、性といった生理的な欲求です。私たちはだいたいこれらは満たされています。しかしそれだけでは満足せず次の欲求が生まれるのです。

(2)安全と安定の欲求(safety-security needs)
安全な状況を希求したり、不確実な状況を回避しようとしたりする欲求。
腹がいっぱいになった子供は、安心していられるように、危険から身を守ろうとします。これも比較的今の日本ではある程度は保証されていますが、安全ならそれで満足かというとそうではありません。

(3)所属と愛の欲求(belongingness-love needs)または社会的欲求(social needs)
集団への所属を希求したり、友情や愛情を希求したりする欲求。
生理的・安全的に満たされると、それらはあまり魅力的ではなくなり、親や仲間からの愛情が欲しくなります。欲求が階層構造になっているというのは、生理的・安全的状況が整っていないと愛情の欲求は生まれてきにくいということです。

(4)承認欲求(esteem needs)または自律欲求 (autonomy needs)
自己尊厳を希求する欲求であり、具体的には、他人からの尊敬や責任ある地位を希求したり、自律的な思考や行動の機会を希求したりします。後者は、とくに自律欲求 (autonomy needs)として、独立に考えられることもあります。
親にかわいがられていても子供は反抗するようになります。認めて欲しい、評価してほしい、自分に自信が持ちたいと思うようになります。私たちの大半はこの動機・欲求に基づいて行動していることが多いので、自尊心を養うことはとても重要になってきます。なぜならそれが満たされると次に進めるからです。

以上の4つは、必要を満たすという意味で欠乏欲求といいます。
生命の危険にさらされず、経済的にもある程度安定し、家族と仲間がいて、他者から認めてもらえるような欲求の充足と人間性の成長が満たされていれば、次の段階、自己実現への希求に進む用意が出来たといえます。

(5)自己実現の欲求(self-actualization needs)
自己の成長や発展の機会を希求したり、自己独自の能力の利用および自己の潜在能力の実現を希求したりする欲求。
社会的に認められ、仲間に恵まれていても、何かしっくりこないものがある。自己実現の欲求が芽生えたのです。「人間には、自分にしかできない固有の生き方をしたい、自分の可能性を最大限に実現したい」という欲求があり、欠乏欲求が満たされた場合それを基礎にして出現してきます。

マズローは成長欲求と名づけいくつかの特徴をあげています。
真・美・全体性・躍動性・独自性・必然性・正義・秩序・単純さ・無碍・楽しみといった”質”が重要になってきます。

このように欲望をかなえていくことにより、成長していき、成長することによって、より大きな満足、やりがい、幸福を見出していく。ではマズローのいう自己実現とはどういう状態でしょうか。

□マズローの自己実現
自己実現とは、才能や能力、可能性等を十分に用いて開拓していることであり、その人が潜在的にあるべき姿になり、より一層その人特有の姿になり、その人がなることできるもの全てになろうとする傾向が自己実現への欲求であるとされています。自己実現的人間の特徴とは以下の通りです。

  1.「現実をより有効に知覚し、それとより快適な関係を保つ」こと。
  2.「自己、他者、自然に対して受容的態度」をとること。つまり、すべてのものをあるがままとしてそのまま受け止める。
  3.「自発性、単純さ、自然さ」を持つ。
  4. 自己中心的ではなく「課題中心的」である。
  5.「孤独、プライバシーを好み、欠乏や不運に対して超然」としている。
  6.「文化や環境からの独立」し、意志をもった、能動的人間である。
  7.「認識が絶えず新鮮である」こと。
  8.「神秘的経験-至高体験」を持つこと。
  9.「共同社会感情」を持つこと。
10 .心の広い、深い対人関係」を持つこと。
11 .「民主的性格構造」を持つこと。
12 .「手段と目的の区別、善悪の区別」が判断できること。
13 .「哲学的で悪意のないユーモアのセンス」を持つこと。
14 .「創造性」を持つこと。
15 .「文化に組み込まれることに抵抗し、文化を超越」すること。

人は欲求を満たしていくことによって、より人間的に大きな成長を希求するようになります。そしてそれはやがて、自己を超越して、他者や地域社会、そして世界全体のことまでにも想いをめぐらし、そのために自己を活用していくような人間性の成長を観るのです。

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