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足跡

ある夜、わたしは 夢をみた。
わたしは、主(神さま)とともに なぎさを歩いていた。
暗い夜空に、これまでの わたしの人生が 映し出された。
どの風景にも、砂の上に ふたりの あしあとが残されていた。
一つは わたしの あしあと、

もう一つは 主の あしあとであった。 
これまでの人生の最後の光景が映し出されたとき、

わたしは、砂の上の あしあとに目を留めた。
そこには 一つの あしあとしかなかった。

わたしの人生で いちばんつらく、悲しい時だった。
このことが いつもわたしの心を乱していたので、
わたしは その悩みについて主にお尋ねした。

「主よ。わたしが あなたに従うと決心したとき、
あなたは、すべての道において、わたしとともに歩み、
わたしと語り合ってくださると約束されました。
それなのに、わたしの人生のいちばんつらい時、
ひとりの あしあとしかなかったのです。
いちばん あなたを必要としたときに、
あなたが、なぜ、わたしを捨てられたのか、
わたしには わかりません。」

主は、ささやかれた。
「わたしの大切な子よ。
わたしは、あなたを愛している。

あなたを決して捨てたりはしない。
ましてや、苦しみや試みの時に。
あしあとが ひとつだったとき、
わたしは あなたを背負って歩いていた。」

1964
年 マーガレット・F・パワーズ

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